プロジェクト管理に欠かせないEVMとは
2019/03/26
プロジェクトマネージメント
プロジェクト管理を行う際、現状が計画通りなのか、このままの進行で問題はないのかを把握することが必要となります。
EVMという手法を使うことで、プロジェクトの進捗を客観的に把握することが可能となり、現在の進捗と当初計画の乖離がわかりやすく、また将来への問題を察知しやすくなります。今回は、EVMとは何かを解説していきます。
EVMとは何か
EVMはEarned Value Management(アーンド・バリュー・マネージメント)の頭文字を使用した略語で、一般的にEVM(イーブイエム)と呼ばれます。2003年に経済産業省が「EVM活用型プロジェクトマネジメント導入ガイドライン」を公開したことにより、一般企業においてもプロジェクト管理を体系化するために取り入れられることが多くなりました。
PM(プロジェクトマネージャー)はメンバーから「進捗は問題なく進んでいます」、「この作業はうまくいってます」や、「思ったより作業量が多くて少し遅れています」などの報告を受けますが、このような主観的な報告では正しい進捗管理ができないばかりか、人数の多いプロジェクトだと俯瞰して把握することが難しくなります。なぜ難しいのかというと進捗を測る客観的な単位が存在しないからです。
プロジェクトが計画通りに進んでいるのかをより正確に、定量的に把握するため(1)計画値(PV)、(2)進捗(EV)、(3)実コスト(AC) の3つの数値を使い、グラフで示すことで可視化し、スケジュールやコストが計画通りに進んでいるかが把握しやすくします。
またEVMは現状の把握と共に、このままの進捗で進んでいくとどうなるのかの将来予測が容易に分析出来るのも特長です。
EVMを構成している要素は何か
それではEVMについて詳しく説明をしていきます。EVMを構成している要素はさきほどご紹介した数値3つです。
- 計画値=PV(Planned Value)
- 進捗=EV(Earned Value)
- 実コスト=AC(Actual Cost)
- PV(Planned Value)
- 最初に計画を立てた時の出来高です。これを基準に遅延やコストオーバーなど判断します。
- AC(Actual Cost)
- 現時点までのコストです。スケジュール通りに進んでいればPVと同じ値になります。
- EV(Earned Value)
- 現時点での成果の実績です。
EVMではこれらの3つの要素を使い、コストを縦軸、経過期間を横軸とするグラフを作成します。グラフ化することでスケジュールやコストが計画通りに進んでいるか可視化することが出来ます。
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そのほかの指標 – CPIとSPI
プロジェクトを管理するほかの指標(CPIとSPI)もご紹介します。
これらの指標はプロジェクトの効率性を示すもので、EVMを作成するときに使用したPV、EV、ACから作成することが出来ます。この指標を用いることでより詳細にプロジェクトの状況を把握することが可能となります。
CPI(Cost Performance Index)
コスト効率指数と訳されます。投入したACに対する完了したEVの比率のことです(投入した実際のコストに対する、完了した作業の予算コストの合計の比率)。
1を中心としたグラフを作り、コスト効率を見ることが可能となります。つまり、1であればコストは予定通り消化されており、1を上回っていれば予定よりコストが少なく、下回っていればコストが超過していることが分かります。
SPI(Schedule Performance Index)
スケジュール効率指数と訳されます。計画であるPVに対する完了したEVの比率のことです(計画時に見積もられた予算に対する、完了した作業の予算コストの合計の比率)
1を中心にしたグラフを作り、作業や工程がスケジュール通り進んでいるかを判断する指数で、1であれば作業は予定通りに進んでおり、1を上回っていれば予定より早く、下回っていれば予定より遅れていることが分かります。
これらの指数を使うと、感覚的で主観的な「頑張ります」や「慣れてきたので効率があがります」などの報告に対してより的確なアドバイスが出来るようになります。
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EVMの活用で進捗具合を把握
EVMを活用する最大の利点は現状が把握でき、将来の予測が立てられることです。PMの業務は多岐にわたりますが、進捗率の把握は重要な課題であるにも係らず可視化されにくいものでした。
しかしEVMを活用し、SPI、CPIを合わせて使うことで明確でなかった進捗率がしっかりと把握出来ることとなります。
このように、便利とは言え複雑なEVMですが、EVM分析機能があるプロジェクト管理ツールを使えば、簡単に導入することができます。『Time Krei』(タイムクレイ)は、EVMの知識は不要で、ツールを使って予実管理をすれば、資材・外注などのコスト、要因原価コストをすべて自動集計して、EVMを表示します。
すべてのデータを一つのプロジェクト管理ツール内で保有するため、作業工数も少なく「見たい」そのときに、プロジェクトの状況を定量的に把握することができます。
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