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プロジェクト管理におけるタイムマネジメントとは

2020/06/09

プロジェクトマネージメント

タイムマネジメントのイメージ

プロジェクト管理の重要なマネジメントの一つとして「タイムマネジメント」があります。プロジェクトは定められた期間内に要素成果物を納品する必要があります。そのためプロジェクト管理において「時間」の管理、すなわちタイムマネジメントは非常に重要なポイントになります。

タイムマネジメントにおいての目的はプロジェクトの「スケジュール作成」と「管理」を行うこととなります。スケジュール通りプロジェクトが進んでいればいけばいいのですが、スケジュール作成の時点で不確定なことがあったり、予期せぬトラブルの発生もあったりするのでスケジュール通りに進まないことも多くあります。そういった実態になった時は「調整」が必要となります。その「スケジュール作成」と「管理」、「調節」がプロジェクト管理におけるタイムマネジメントとなります。

また「タイムマネジメント」は世界中で使われているプロジェクト管理を業務効率化するために用いられているガイド「PMBOK(Project Management Body of Knowledge)」の中で紹介されている10のマネジメント領域と5つのプロセスの中の10のマネジメントのうちの一つとして広く認識されています。今回こちらで紹介していくタイムマネジメントはPMBOKで紹介されているタイムマネジメントについて紹介していきます。

タイムマネジメントの実施作業内容

PMBOKでプロジェクト管理におけるマネジメントの領域では「統合マネジメント」「スコープマネジメント」「タイムマネジメント」「コストマネジメント」「品質マネジメント」「人的資源マネジメント」「コミュニケーションマネジメント」「リスクマネジメント」「調達マネジメント」「ステークホルダーマネジメント」があり先ほども説明したように、その1つとして「タイムマネジメント」があります。

ではPMBOKにおけるタイムマネジメントとは一体どのような内容なのでしょうか。PMBOKにおけるタイムマネジメントの内容は
・ アクティビティ定義
・ アクティビティ順序設定
・ アクティビティ資源見積もり
・ アクティビティ所要期間見積もり
・ スケジュール作成
・ スケジュールコントロール

上記の7つの項目に分けることができます。この7つの項目順に進めていくことがタイムマネジメントの実施作業の内容となります。では「アクティビティ定義」「アクティビティ順序設定」「アクティビティ資源見積もり」「アクティビティ所要期間見積もり」「スケジュール作成」「スケジュールコントロール」について説明していきます。

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1)アクティビティ定義

アクティビティをタスクに落とし込みます。プロジェクトを進めていくにあたって、何が「アクティビティ」となるのか見極め、タスクとしてどのようにしていくのかといった作業をこの工程で行います。またアクティビティの定義をするためには、プロジェクトを構成する作業を分解して構造化する手法WBSのワークパッケージをさらに分解する必要があります。WBSでは「要素分解」や「ローリング・ウェーブ計画法」などが使われることが多いと言われています。しかしWBSをおこなうにあたってはツールを使うといった方法もあるため、時間短縮のためにツールを導入してもいいかもしれません。またWSBを行なっていく重要なポイントとしては作業を細分化して構成していき作業にかかる時間が明確になるまで分解をおこなうため、管理しやすくなるのでスケジュール管理がしやすくなる点が挙げられます。そのためWSBをしっかりと「アクティビティ定義」の段階で行なっておくとプロジェクト管理をおこなっていく上でスケジュールが進みやすいポイントとなるでしょう。

2) アクティビティ順序設定

アクティビティ間の順序関係を明確にし、作業順序を設定します。「アクティビティ定義」で決めたアクティビティをおこなっていく順番を決めていきプロジェクトの流れをココで決めていきます。またアクティビティの性質によって、完了しないと次を開始できない、また並行して作業するものがあります。それらのアクティビティ間の順序を設定していきます。順序を明確にするための一つの手法としては「プレシデンス・ダイアグラム法」が用いられています。「プレシデンス・ダイアグラム法」はアクティビティ間の論理的な関係をノードで表し矢印で示すことで順序を明確に表す方法です。

3) アクティビティ資源見積もり

アクティビティに必要な人的資源、物的資源を見積もります。「アクティビティ定義」「アクティビティ順序設定」で決めたプロジェクトの流れを行う上で必要な資源がどのぐらいになるのかの見積もりをココでおこないます。またアクティビティ資源見積もりでは物的資源よりも人的資源が重要視される傾向があります。

4) アクティビティ所要期間見積もり

所要期間見積もりのイメージ

アクティビティの完了に必要な期間を見積もります。「アクティビティ資源見積もり」で想定した資源を基に各アクティビティを完了する為に必要な期間を見積ります。その必要な期間の見積もり方法として「類推見積もり」「係数見積もり」「三点見積もり」があります。この3点の見積もり方法でアクティビティ所要期間見積もりを行ったらスケジュール作成を行っていきます。ではまず「類推見積もり」「係数見積もり」「三点見積もり」について紹介していきます。

4-1)類推見積もり

過去の類似したプロジェクトの見積もりを指標として使う見積もり方法です。時間の短縮ができるメリットはありますが、担当する人の見積もりの仕方でプロジェクト特有の事情がうまく反映されない可能性もあるので注意が必要です。

4-2)係数見積もり

過去の情報が基準となります。過去に蓄積された情報と基準となったモデルにプロジェクトを当てはめる見積もり手法です。基準となったモデルの大きさによってプロジェクトの見積もりに誤差が生じてしまう場合があるので注意が必要です。

4-3)三点見積もり

「最頻値(通常作業でかかる日数)」、「楽観値(トラブルなく作業にかかる日数)」、「悲観値(トラブル発生した時、作業完了までに最悪かかる日数)」を加重平均して見積もる手法です。過去のプロジェクトに類似したものがなく「類推見積もり」「係数見積もり」が使えない時などにも「三点見積もり」は使うことができます。以下はその計算式となります。
(楽観値+最頻値×4+悲観値)÷6

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WBSだけでは不十分?プロジェクトを可視化する

3つの視点
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5)スケジュール作成

タスクの開始日と終了日を設定し、全体のスケジュールを作成します。「アクティビティ所用期間見積もり」で見積もったプロジェクト完成までの期間を参考にプロジェクトの時期を決めていきます。スケジュール作成では各アクティビティに予定開始日と予定終了日をスケジュールに記載しますが、スケジュール作成方法としては「クリティカルパス法」が使われます。そして当初のプロジェクト完了日とスケジュールで記載した終了日を比較し、作業の短縮の調整をおこない最後には「マイルストーンチャート」と「バーチャート」に成果物を落とし込みます。

スケジュール作成では「クリティカルパス法」、「マイルストーンチャート」と「バーチャート」など聞きなれない手法が使われます。「クリティカルパス法」、「マイルストーンチャート」と「バーチャート」は知らないとスケジュール作成の工程を進めていくことができないので「クリティカルパス法」、「マイルストーンチャート」と「バーチャート」について紹介していきます。

5-1)クリティカルパス法

WBSを作成した後に大まかなアクティビティをリストアップしていきます。しかし詳細化されたアクティビティを指定してしまうとクリティカルパス分析が複雑になってしまうためその分管理が大変になります。特定のアクティビティが他のアクティビティの完了に依存されている場合は、そのアクティビティより先行してリストアップしていくと、正しい順序を認識することが可能です。他のアクティビティに依存しないようにアクティビティの優先順位を識別する為にはリストを作成する必要がありますが、そのリストを作成していくために各アクティビティに対して以下の質問をおこなっていきます。

・このタスクの前に実行しなければならないタスクはどれか?
・このタスクと同時に終了しなければならないタスクはどれか?
・このタスクの直後に実行しなければならないタスクはどれか?

ある程度の優先順位が決まったら、ネットワーク図を描きます。各タスクに、「三点見積もり」の手法を使って、タスク完了予定日を記入していきます。一番長い期間のパスを探し出し、クリティカルパス図を更新してください。またクリティカルパス法では資源に対する制限に重点を置かずアクティビティの実行順序を設定していきます。

5-2)マイルストーンチャート

「要件定義」「基本設計」「詳細設計」「開発」「テスト」「リリース」などプロジェクトによって内容は異なりますが、主要となる要素成果物の予定開始日と予定終了日を記載するチャートになります。

5-3)バーチャート

「マイルストーンチャート」と同じように「要件定義」「基本設計」「詳細設計」「開発」「テスト」「リリース」などプロジェクトによって内容は異なりますが、主要となるアクティビティの開始日と終了日、所要予定時間を「バー」形式で表記しチャートにします。

6)スケジュールコントロール

計画と実績の差異を把握し、調整します。これまで行なってきた「アクティビティ定義」「アクティビティ順序設定」「アクティビティ所用期間見積もり」「スケジュール作成」の内容で実際プロジェクト作業を進めていった時に当初見積もった内容・予定で誤差がないかチェックを行い、誤差があった場合はプロジェクト達成に向けて「アクティビティ定義」「アクティビティ順序設定」「アクティビティ所用期間見積もり」「スケジュール作成」の内容調整をおこなっていきます。また「スケジュールコントロール」では、プロジェクトの進歩状況を把握する為に監視が必要です。スケジュール通りに行かないアクティビティを察知したら、調整が必要になります。調整には「パフォーマンスレビュー」と「スケジュール短縮」手法が用いられています。

6-1)パフォーマンスレビュー

パフォーマンスを測定し、計画と実績を比較します。「EVM」手法が用いられます。EVMは、出来高、実コスト、計画と比較としてパフォーマンスを測定します。EVMの4つの指標は「EV(Earned Value)」、「PV(Planned Value)」、「AC(Actual Value)」、「BAC(Budget At Completion)」からなります。

・PVは計画上の出来高です。遅延を図るための基準となる値です。ベースラインとも呼ばれます。
・ACは現時点まで開発したコストです。
・EVは現時点の成果の実績値。
・BACはプロジェクトが完了するまで必要な総予算です。
このように視覚的にすると、把握しやすく遅れやコスト超過に気づくことができます。

6-2)スケジュール短縮

スケジュール短縮をするには、「クラッシング」と「ファストトラッキング」を用いてスケジュール短縮を図ります。クラッシングは、短縮する期間に合わせて必要な人的資源、物的資源を投下する手法です。1年のプロジェクトを半年にする場合、残りの半年で消費する予定だった人的資源や物的資源をプロジェクト期間に投入します。例えば人員を増やしたり作業時間を増やしたりすることもクラッシングの方法といえるでしょう。一方のファストトラッキングは、スケジュールでは順番が後に設定されているアクティビティを先のタスクが終わらない状態で先行して進めることで、時間短縮を図る方法です。

タイムマネジメントのまとめ

いかがだったでしょうか。プロジェクト管理に欠かすことができないタイムマネジメントのやり方について知識をつけていただけたかと思います。プロジェクト管理におけるタイムマネジメントの目的である「期間内に納期」をする為には、様々な手法が用いられています。タイムマネジメントは、洗い出されたアクティビティに対して作業予定開始期間や終了期間、元の計画と比較しながら必要に応じて調整していく、とても重要なマネジメントです。今回はPMBOKで紹介されているタイムマネジメントについて紹介しましたが、PMBOKはプロジェクト管理を行なっていく上で欠かすことができないマネジメント方法が記載されています。プロジェクト管理をこれから任されることになった方などはPMBOKについて学ぶことでプロジェクト管理について多くの知識を身につけることができますので、是非PMBOKについて学ばれることをおすすめします。

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