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経営者が知っておくべきテクノロジーの本質

2019/10/01

プロジェクトマネージメント

テクノロジー本質のイメージ

産業革命以降、企業活動においてテクノロジーは欠かせないものになりました。20世紀以降は科学が著しく発達し、テクノロジーの進化が加速しました。特にITの発達はすさまじく、今日では一年前の知見は「もう古い」とまで言われるほどです。そしてこの時流はこれから先も大きくは変わらないでしょう。

そんな現代において、経営者がテクノロジーを理解することは必要不可欠です。とはいえ、一口にテクノロジーといってもその範囲は膨大で、すみからすみまで知る必要はありません。経営者が理解するべきことは、テクノロジーの本質です。

テクノロジーとはなにか、テクノロジーの発達でできるようになることはなにか、テクノロジーでもできないことはなにか、といったことを知ることで、テクノロジーと適切に付き合うことができ、結果としてより利益を生み出す経営者となれるでしょう。

なお、本記事における「テクノロジー」という言葉はITに限りません。ITを含む広い意味でのテクノロジーを指す言葉としてお読みください。

テクノロジーとはなにか

テクノロジーはしばしば「技術」と和訳されますが、「技術」には「テクノロジー(Technology)」と「アート(Art)」の二つの意味があります。二つの意味はしばしば混同されるため、最初に整理しておきましょう。

「テクノロジー(Technology)」は明文化されている技術です。道具に任せられる技術、と言い換えてもいいでしょう。正しく学んで覚えれば、多くの人々が使えるようになります。

「アート(Art)」は日本語では「芸術」と思い浮かべる人が多いと思いますが、広くは明文化されていない技術を意味します。道具に任せられない技術、あるいは職人芸と呼ばれるほどの匠の技と言ってもいいでしょう。さらに「芸術」を生み出すのに必要とされる個人のセンス、才能、経験に基づく直感を含みます。

テクノロジーの本質は「ヒトが行う仕事(アート)を道具に任せる」ことです。どのようなテクノロジーも「ヒトが行う仕事を道具に任せる」ことで価値を生み出します。昔は多くのことがアートでしたが、時代が下るにつれてヒトはアートをテクノロジーに置き換えてきました。

ヒトとテクノロジーの歩み

テクノロジーがヒトの仕事、すなわちアートを置き換え価値を生み出した、具体的な例をいくつか見ていきましょう。歴史をたどると、ヒトはアートをテクノロジーへ置き換えずにはいられない、本能のような性質を持っていることが分かります。

有史以前から、ヒトは様々な仕事を道具に任せてきました。とても原始的な例ですが、狩猟における弓矢をあげましょう。ヒトが弓矢を発明するより前は、獲物に向けて石や槍を投げることが遠距離攻撃の手段でした。

ヒトがものを投げる能力は、どんな動物よりも優れています。ですが、ヒトは弓矢を発明することで、石や槍を投げることよりも優れた遠距離攻撃手段を手に入れました。ヒトは「ものを投げるという仕事」を、「弓矢という道具に任せる」ことで狩猟に革命を起こしたのです。

18世紀終盤から19世紀序盤にかけて起こった産業革命では、蒸気機関という画期的な動力によって、ヒトが行っていた様々な仕事を機械に任せられるようになりました。産業革命によって恩恵を受けた例として、よくあげられるのは紡績業です。

産業革命以前は、綿織物を製造するときに「ヒトが手作業で織機を操作」していました。ですが蒸気機関によって「織機の操作を自動化」できるようになり、綿織物の生産性が飛躍的に向上したのです。

20世紀終盤から現在に至るIT革命も、従来はヒトが行っていた「情報の処理という仕事」を、「コンピューターという道具に任せる」ことができるようになったために起こりました。弓矢による狩猟の革命も、産業革命も、IT革命も、本質は「ヒトが行う仕事を道具に任せること」が可能になったために起きた現象なのです。

セコムのテクノロジー戦略

さらに身近な例としてセコム株式会社があります。現在では機械警備の代名詞ともなっている「セコム」ですが、1962年に「日本警備保障株式会社」として創業した当初は、巡回警備員や常駐警備員を派遣する警備会社でした。1964年の東京オリンピックにおける選手村の警備を担当したことなどで信頼を獲得し、巡回警備事業は急成長しました。

一方、同社は1966年に日本初のオンライン安全システム「SPアラーム」を開発しました。機械警備の先駆けとなるテクノロジーです。

当初、「SPアラーム」の販売実績は良くはなかったのですが、開発から三年後の1969年、「SPアラーム」が世間を不安におとしいれていた108号連続射殺魔事件を逮捕するきっかけとなります。

これに手応えを感じた「日本警備保障」創業者の飯田亮氏は、翌年の1970年に警備事業の中核だった巡回警備を廃止すると決定しました。当時、「日本警備保障」の巡回警備事業は売上の約80%を占めていました。売上の柱を捨てるという決断ですから、もちろん社内の重役からは大反対されました。

ですが、結果として機械警備は巡回警備に代わる事業として飛躍的な成長を遂げました。社名が「日本警備保障」から「セコム」に変わった現在に至るまで、同社は日本における警備サービスの筆頭として君臨しています。

セコム社の創業者である飯田氏は、道具に任せられることは道具に任せ、ヒトはヒトが対応するべきことに集中する、というテクノロジーの本質を理解していたのでしょう。

巡回警備員の仕事は、巡回区域における「異常の発見」と「発見した異常への対処」です。二つの仕事のうち、「異常の発見」という仕事は「SPアラーム」という道具に任せることができます。ガラスが破られた、開いてはいけない時間に扉が開いた、というように「異常事態」は明文化することができます。これはまさにテクノロジーです。

もう一つの「発見した異常への対処」はヒト、つまり警備員が行う必要があります。ヒトの仕事がなくなるわけではありません。むしろ巡回による疲労が積み重なった状態で異常へ対処するより、道具を利用して体力を温存したほうが、異常へ的確に対処できるようになります。

異常への対処方法は、そのときどきによって異なります。現場に駆けつけた警備員が判断する必要があります。これはまさにアートです。

セコム社の例は、『経営者はテクノロジーの本質を理解するべきである』という示唆に満ちています。道具に任せられることは道具に任せる。ヒトがするべきことはヒトがする。従来「異常の発見」はヒトの仕事、すなわちアートでした。ですが「SPアラーム」によってアートはテクノロジーに置き換えられたのです。

様々な分野で、テクノロジーはアートから置き換えられています。したがって、経営者はテクノロジーの最新動向を知り、道具に任せられる仕事とヒトが実施するべき仕事を区別する必要があります。テクノロジーが進化しても会社には従業員が存在します。今まで従業員が行ってきたアートの領域をテクノロジーでカバーするのと同時に、カバーできない部分を把握し、生まれた余剰で何ができるかがカギになります。それはつまり、経営者がテクノロジーを知らないと競争に勝ち残れないということです。

管理職、従業員、経営者の3者の視点

管理職、従業員、経営者の3者の視点でプロジェクトを管理するには

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そのテクノロジーでなにができるのか

新しいテクノロジー導入のイメージ

企業活動において、テクノロジーは必要不可欠なものとなりました。現代の経営者はテクノロジーを理解する必要があります。ですが、先にも述べたようにテクノロジーをすみからすみまで理解する必要はありません。経営者は「そのテクノロジーでなにができるのか」を正しく理解できればいいのです。

近年、アートをテクノロジーが置き換えつつある良い例は、プロジェクト管理です。

プロジェクトの管理、すなわちマネジメントは、つい最近までテクノロジーではなくアートが独占していました。プロジェクトのかじ取りはマネージャーの経験と勘に頼っていたのです。ですが、20世紀後半から発達したマネジメント理論とIT革命によって、マネジメント業務の一部を道具へ任せられるようになりました。マネジメントにもテクノロジーを利用できるようになったのです。

マネジメントに関する代表的なテクノロジーは、プロジェクト管理ツールでしょう。従来はマネージャーがアナログに進捗管理を行い、下手をするとメンバーそれぞれの状態を頭の中で把握していました。うまくマネジメントしプロジェクトを成功に導くことは、それぞれのマネージャーがそれぞれの方法で進捗状況やメンバーの状態を把握することに委ねられていました。

現在では、プロジェクト管理ツールを利用することで、マネージャーや経営者の頭の中がシェアできる状態になったようなもので、プロジェクトに関わる誰もがプロジェクトの進捗や置かれている状況を把握することができます。多くの場合、進捗状況はグラフによって自動的に可視化されるため、マネージャー個人の能力に頼る必要もありません。プロジェクト管理の手法に関しても、長年世の中のプロジェクト管理で培われてきた成功ケースに基づいて設計されているので、マネージャーになりたての方でもある程度スムーズに進行することができるようになります。

プロジェクト管理ツールというテクノロジーが「できること」の本質は、まさにこれです。経験の浅いマネージャーでも、テクノロジーをうまく利用することでそれなりのマネージャーとして機能できるのです。マネジメント教育には時間もコストもかかりますし、何より実態が見えづらいものでした。経営者としては会社でツールをうまく活用することで、個々のプロジェクトの状況を確認でき、効率の悪さや無駄なタスクを排除することで、その分のコストを削減できるという見方もできます。

プロジェクト管理ツールも日々進歩を遂げています。例えば 『Time Krei』(タイムクレイ) はプロジェクト管理だけでなく、メンバー間のコミュニケーションツールや、社内の承認フローの電子化、グループウェアに至るまで多くの機能を備えています。これらの機能を有効に活用することで、従来はアートだった仕事がテクノロジーに置き換えられ、誰でもそれなりの仕事が効率的にできるようになるでしょう。経営者からすれば、不安定な要素が取り除かれるというメリットがあります。機能が集約され一元管理が実現できることで、昨今の課題としてよく挙げられる「道具が多すぎて管理に時間がかかる」ということもないのです。

そのテクノロジーはなにができないのか

前述した通り、経営者は「そのテクノロジーでなにができるのか」を知るのと同時に、「そのテクノロジーはなにができないのか」も正しく理解する必要があります。テクノロジーができない仕事はヒトが実施することになります。これもプロジェクト管理を例にあげてみましょう。

プロジェクト管理ツールは、従来は職人芸だったマネジメントの一部を誰でも行えるようにするものです。一方で、マネジメント自体はあくまでヒトが行うものであり、プロジェクト管理ツールを導入しただけでマネジメントのすべてがうまくいくわけではありません。

例えば、プロジェクト管理ツールを利用することでメンバーと信頼関係を築いたり、メンバーのモチベーションを完全に引き出すことは難しいでしょう。メンバーのモチベーションを引き出すという仕事は、現在もマネージャーのコミュニケーション能力に頼らざるをえません。

最近になってアートの一部がテクノロジーに置き換えられるようになったとはいえ、マネジメントはまだまだアートが占める領域が大きいのです。

もちろんプロジェクト管理ツールをうまく利用することで、メンバーへタスクを終えたという達成感を小刻みに与えることはできるでしょう。ですが、メンバーは複雑な感情を抱えた人間です。小さな達成感の積み重ねだけがモチベーションに繋がるとは限りません。

プロジェクトに取り組むことそのものが楽しいと感じるメンバーもいれば、プロジェクトで成果をあげて出世したいと望むメンバーもいるでしょう。メンバーに対する理解やメンバーのモチベーション向上には、マネージャーのコミュニケーション能力が必要です。マネジメントの大部分は現在もなお、マネージャーの経験と勘、つまりアートに頼る部分が大きいのです。ですので、プロジェクト管理ツールを導入したことだけで満足していては、その効果は十分に発揮できませんし、継続的なプロジェクトの成功は困難でしょう。

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そのテクノロジーは利益を生み出すか

テクノロジー事業を取り入れるイメージ

新しいテクノロジーを事業へ取り入れるとき、経営者は「そのテクノロジーは利益を生み出すかどうか」を判断する必要があります。新しいテクノロジーの導入には、時間とコストが掛かり、自社への投資に他なりません。どれほど画期的なテクノロジーだとしても、投資に見合った利益を得られないのであれば導入しないという判断を下すことも経営者には必要です。しかしながら、この判断はとても難しいものであることも事実です。

ここではとあるテレビゲーム機を例にあげましょう。1995年、任天堂株式会社は「バーチャルボーイ®」という3Dゲーム機を発売しました。ゲームを3D立体視でプレイできる、当時としては画期的な技術を利用したゲーム機でした。

ですが、販売台数は国内で15万台程度、世界でも77万台程度と落ち込みました。同世代のゲーム機である「PlayStation®」は世界で1億240万台、「セガサターン®」は世界で926万台と、大きく水をあけられました。バーチャルボーイの実績は黒字だったそうですが、販売台数から推測するに利益は小さかったでしょうから、大成功とは言い難いでしょう。

バーチャルボーイ®があまり成功しなかった理由のひとつは、3D立体視というテクノロジーが新しすぎて、当時の人々に受け入れられにくかったことでしょう。また、ゲーム画面も赤一色のモノトーンで表示されたため、既に美しいカラー画面に慣れていたゲームプレイヤーからは敬遠されたのもひとつの原因でしょう。

テクノロジーはヒトの仕事を置き換えることに価値があります。ゲーム機にあてはめるなら、新しいゲーム体験を提供することに価値があります。バーチャルボーイ®はテクノロジーが新しすぎたためにゲームプレイヤーからは敬遠され、結果として新しいゲーム体験を十分には提供できなかったのです。

バーチャルボーイ®が幸運だったのは、生産台数をあまり多くしなかったために事業が赤字化しなかったことです。早期に撤退したことで、任天堂株式会社は深手を負うことなく事業を継続できました。

また、バーチャルボーイ®で培われた3D立体視の技術は、無駄にはなりませんでした。バーチャルボーイ®が発売されてから16年後、「ニンテンドー3DS®」というゲーム機で3D立体視の機能が再び登場します。ニンテンドー3DS®は世界中で大ヒットし、バーチャルボーイ®はむくわれた形になりました。

このように、新しいテクノロジーが利益を生み出すかどうかは、判断がとても難しいものです。バーチャルボーイ®の事例がどの企業にも起こるわけではありません。経営者が新しいテクノロジーへ投資するときは、費用対効果と利用者に浸透するかを十分に検討する必要があります。

テクノロジーの本質とは まとめ

ここまで述べてきたように、経営者がテクノロジーの本質を理解することは必要不可欠です。

経営者がテクノロジーの本質を理解することで、テクノロジーが利益を生むかどうか正しく判断できる可能性も高くなります。道具に任せられる仕事は道具に。ヒトがするべき仕事はヒトに。この基本的な考え方を忘れなければ、テクノロジーを活用して利益を生み出すことができるようになるでしょう。

テクノロジーはこれからもヒトと補い合うように発達することでしょう。経営者は、今どのようなテクノロジーがあるのか、なにができてなにができないのか、自社の利益に繋がるかどうかを、常に考える必要があるのです。

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