効率的にプロジェクト管理を行うにはツールの工夫が必要不可欠
2019/04/09
プロジェクト管理ツール
プロジェクト管理を効率化するためには、専用ツールの活用は不可欠です。紙媒体やエクセルで管理されるだけでは、プロジェクトの状況の把握が出来ませんし、手間と時間が掛かります。
プロジェクト管理ツールには「インストール型」と「クラウド型」が存在します。今回、この記事では、そもそもプロジェクト管理ツールとはどんなものなのか、そしてクラウド型、インストール型のメリットなど詳しく解説させていただきます。
プロジェクト管理ツールとは
プロジェクト管理ツールとは、プロジェクトに関わるスケジュールやコスト、チームメンバーといったリソースを管理するためのツールです。クラウド型であれば、インターネットとデバイスさえあれば手軽に利用することができ、どこでも利用しやすいというメリットがあります。また、インストール型であれば、インターネット環境に依存することなく、コンピューターにインストールし、セキュリティ面でも安心して使用することができます。
プロジェクト管理ツールを利用することで得られる大きなメリットは4つあります。
管理作業効率の向上
プロジェクトを管理をする上では、スケジュール、工数やコスト、メンバーなど項目ごとに細かく管理をする必要があります。それぞれの管理に特化したインターフェイスを備えているため、簡単に使うことができます。
メンバーの把握
プロジェクト管理では、メンバー同士のコミュニケーションや情報共有が欠かせないものです。
エクセルなどのファイルで共有を図ろうとすると、逆に多くの手間がかかってしまう場合があります。例えばタイムラグによるファイルの先祖返りが発生したり、リアルタイムで複数人で触ることが難しかったりなどです。
しかし、プロジェクト管理ツールは登録されている工程ならすぐに反映されるなど、リアルタイムでプロジェクトを把握することができます。
予定と実績など現状の可視化
見やすく洗練されたインターフェイスとユーザビリティに配慮された簡単操作で、手軽にガントチャートや予定と実績のを入力できます。
決められた項目を登録し、日々実績を入力していくことで、多角的に状況を可視化することができます。
フォーマットの統一
使いやすく統一されたフォーマットを利用することによって、誰もが理解しやすく情報を有効に活用することができ、誤解や混乱を無くします。
プロジェクト管理ツールの選び方
当然のことですが、プロジェクト管理ツールといっても製品により機能は異なります。
ツールを選ぶ際は、自社のニーズに応える機能を備えているかどうかをしっかりと確認する必要があります。
また、プロジェクト管理をする上では、毎日利用するものになりますので操作性や見た目のわかりやすさに問題ないかをチェックするのも重要でしょう。製品によっては、「トライアル期間」として数日から数週間無料で試せるものもありますので、導入前に実際に触ってみると良いでしょう。
「インストール型」と「クラウド型」
利用料金
- インストール型
- インストール型は初期費用の負担があり、場合によってはサーバーや設定費用がかかります。長期の利用が前提であれば初期費用の負担が大きくても、長く使えば使うほどクラウド型よりも使いやすく、コストを抑えられるかもしれません。
- クラウド型
- クラウド型は必要となる機能・サービスのみの契約ができるものもあり、また月額料金で利用が可能となるため初期費用を抑えることができます。また、すぐに使い始めることができるのもメリットです。
- 反面、毎月料金が発生されるため、長期で利用するのであれば、導入前に拡張性や維持費用をよく検討するべきでしょう。
トラブル対応
インストール型:保守費を支払い、手厚い対応をしてもらえるものが多いです。
クラウド型:トラブルが発生しても、クラウド上の対応となりますので、突発な出費や工数が発生する恐れがありません。しかし、インターネットの利用による課題(スペックによる速度など)は残ります。
契約期間
- インストール型
- インストール型は初期費用の月額料金であるものの、最低の契約期間が設けられていることがあります。初期費用が掛かる分、ある程度の期間使用しないとコストパフォーマンスが低くなることがあります。
- クラウド型
- インストール型は初期費用のインストール型と同様、最低の契約期間が設けられていることがあります。
バージョンアップ
- インストール型
- バージョンアップのために別途費用が掛かる場合があります。さらに、サービス提供者にてインストール作業を行う場合も多いため、時期の調整が必要になり、すぐに対応できないことがあるかもしれません。
- クラウド型
- バージョンアップのための追加料金は掛かからず、原則自動で更新されるため、常に最新版を利用することができます。
セキュリティ
- インストール型
- 社内サーバーにインストールされておりインターネット環境不要でサービスを利用することができるため、クラウド型よりもセキュリティ面では安心です。
- クラウド型
- インターネットを経由して外部のサーバーにデータを保管するため、セキュリティ面ではリスクが伴います。以下の点を意識してサービスの選択をすると良いでしょう。
- 高いシェア数(多くの利用者=信用度)
- サービス提供者が高い技術と資本力をもっているか
- セキュリティに対する取り組みが提供者ホームページで説明されているか
- 自社の基準を明確にし、それを下回らないか
- インストール型
- 自社の要望に合わせてカスタマイズが出来るのが強みです。その場合はもちろんカスタマイズ内容に応じた費用が発生します。
- クラウド型
- クラウド型のプロジェクト管理ツールでは、個別の要望に応じることが難しく、カスタマイズが出来ない製品が多いです。インストール型との最大の違いといえる部分です。しかしながら、クラウド型の中でも専用環境を構築するシングルテナントであれば、費用は上がりますが、カスタマイズを行うこともできます。
カスタマイズ
必要な機能を検討する
複数の選択肢の中から検討しなければいけないのは、設置タイプだけではありません。自社の案件のタイプや、今までの管理方法なども鑑みて、「プロジェクト管理ツールに必須なものは何か?」を明確にしましょう。
もちろん、すべての要望に合う製品があるとは限りませんので、どんな機能が最低限必要か、あれば嬉しい機能は何かなどプライオリティを付けて検討すると良いでしょう。
また、プロジェクト管理ツールとしてはさほど必要と思わない機能でも、別々に使っていたツールをまとめられる可能性があるなど、多機能なプロジェクト管理ツールを選ぶメリットもあるかもしれません。
- WBS
- 作業分解構成図(Work Breakdown Structure)。案件ごとに作業フローを細分化したもの
- ガントチャート
- 作業の進捗状態をタスクと日付で、横棒グラフのように表現したもの
- ワークフロー
- 組織業務に必須な回覧・承認のフローを体系化した機能
- 予実管理
- 数値目標として立てた予算と実績を比較し、達成状況を管理するための機能
- タスク管理
- 個々にタスクを登録し、進捗や期日などを設定することによってリマインドをする機能
- EVM分析
- アーンド・バリュー・マネジメント(Earned Value Management)。コストとスケジュールを一度に把握し、現状からプロジェクトの将来予測を行う機能
- スケジュール管理表
- 個人ごとに予定を登録でき、共有できる予定表
- 掲示板
- 組織の情報共有のためのスレッド
- 回覧板
- 情報を共有し、閲覧確認などのチェック機能を有するスレッド
- チャット
- 情報共有をリアルタイムで行うコミュニケーションツール
プロジェクト管理ツールにより、上記のような機能もあるものと無いものがありますので、現在の自社でのツール使用状況も併せて検討材料にすると良いでしょう。
サービス提供者も大切な判断材料
プロジェクト管理ツールは、業務効率化に欠かせない必須アイテムです。また、一度使用を開始するとなかなか変更することも難しい、日常的に使用するものになります。
導入するにあたっては自社の規模や利用環境・条件によりインストール型かクラウド型かを選択し、自社の業務にあったタイプのプロジェクト管理ツールを選択することが重要です。
インストール型かクラウド型か、また自社に必要な機能を洗い出して費用とも合わせて検討したら、最後に大切なのは「信頼できるサービス提供者」です。導入前に担当者とコミュニケーションをして、その対応をチェックしたり、問い合わせて疑問を払拭しましょう。また、デモンストレーションを依頼して実際に動いている様子や使い方を見せてもらうのも欠かしたくない選択フローです。
いずれにしても、プロジェクト管理ツールは業務効率を図るために導入するもの。失敗しない製品選択をしたいですね。