この案件は順調か?プロジェクトの健康度を計るEVMの算出法

2019/03/12

プロジェクト管理ツール

プロジェクトが上手く行っているか判定するイメージ

プロジェクトを開始する際はWBS(Work Breakdown Structure)を作成し、いつまでに何を完成させるか計画を立てていると思います。しかし実際にプロジェクトがスタートすると、計画通りにいかないことも多いものです。

EVM(Earned Value Management =イー・ブイ・エム)は、プロジェクトが上手く行っているかどうかを評価する手法です。ここでは、EVMの考え方と計算方法をご紹介します。

EVMとは何か

EVMとは、プロジェクトが計画通りに進んでいるかを、出来高、コスト、スケジュールの面から示す手法です。WBSではスケジュール管理や、工数の見積もりを行うことは出来ますが、コスト管理は含まれません。

EVMを算出することで、コストの見積もりや管理がより具体的に可能となりますので、その方法を学んでいきましょう。まず初めに、覚えるべき用語が4つあります。

BAC(Budget At Completion =当初予算)

プロジェクトの完了までに必要な総予算のことです。プロジェクトの計画を立てた段階で見積もられる、または割り当てられる予算がこれに当たります。

PV(Planned Value =出来高計画コスト)

計画上の工程の予算コストで、こちらもプロジェクト計画時に見積もられるものです。プロジェクトをタイムライン上に置いたとき、ある時点で予定している予算コストはこれくらい、ということを示したラインです。

AC(Actual Cost =総コスト)

現時点で実際にかかっているコストです。プロジェクトをタイムライン上に置いたとき、現時点でどれくらいコストがかかっているかを示します。

EV(Earned Value =出来高実績値)

成果物の出来具合を、金銭的な価値に換算したものです。タイムライン上で、現時点での作業の進捗具合を金銭的な価値に換算して表します。

さて、EVMを考えるうえで必要な4つの指標の概念について学んだところで、続いて計算方法を学びましょう。

指標の計算方法(SV、CV、SPI、CPI、ETC、EAC、VAC)

EVMを計算するイメージ

それでは、先に学んだ指標を使って、プロジェクトが順調かどうかの健康度を計算する方法を目的に合わせていくつか解説します。

SV(Schedule Variance)

スケジュール差異のことです。現時点で完了している作業の合計コストと、計画時にこの時点で完了していると予想された作業の予算コストの差を計ります。

計算式はEV – PVです。もし正なら計画よりも順調に進んでいることになります。

CV(Cost Variance)

コスト差異のことです。現時点まで投入された合計コストと、計画時に現時点までに投入予定だったコストの差を計ります。

計算式は、AC – EVです。正なら、現時点のコストが予算内に収まっていることになります。

SPI(Schedule Performance Index)

スケジュール効率指数です。

計算式はEV ÷ PVです。1以上なら、計画よりも早く作業が完了していることになります。

CPI(Cost Performance Index)

コスト効率指数です。

計算式はEV ÷ ACです。1以上なら、少ないコストで作業を完了していることになります。

ETC(Estimate To Complete)

残作業コスト予測、つまり今後の作業工数を金銭換算したものです。

計算式は(BAC – EV) ÷ CPIです。

EAC(Estimate At Completion)

完成時総コスト見積りです。

計算式はBAC ÷ CPIです。

VAC(Variance At Completion)

完了時のコスト差異です。計画時の予算と、実際の総コストの差を計ります。

計算式はBAC – EACです。

いかがでしょうか。アルファベットの用語が並んでいて一見難解に見えますが、実は前述の4つの指標のみで全て計算出来ることが分かります。

次は具体例を交えながら、実際の数字で計算してみましょう。

EVMの計算例

ECサイトの制作プロジェクトを例にします。

まず、総予算1,000万円、期間3か月、開発工数250人日を予定しているプロジェクトだと仮定しましょう。

さて、プロジェクトが始まって1カ月経過しました。1か月経過時点のPVは320万円と予測されています。一方、現時点の実際のEVは360万円、ACは330万円でした。

プロジェクトのスケジュールは順調でしょうか? スケジュール差異を計算してみます。

SV = EV – PV = 360万円 – 320万円 = 40万円

答えが正であるため、予定していたスケジュールよりも進捗していることが分かります。

コストは予算内に収まっているでしょうか? コスト差異を計算してみます。

CV = EV – AC = 360万円 – 330万円 = 30万円

こちらも正であるので、予定していたコストよりも30万円少なく収まっているということが分かります。

どうやらこのプロジェクトは順調のようです。

それでは、残りの作業工数はどれくらい残っているでしょうか?

ETC = (BAC – EV) ÷ CPI = (1,000万円 – 360万円) ÷ (360万円 ÷ 330万円) = 581.8万円

およそ582万円分の工数が残っています。1人日は4万円なので、残りの作業はおよそ145.5人日ということになります。

作業効率が予定よりも良かったため、計画よりも少ない工数でプロジェクトが完了しそうですね。

EVMの概念を知っておこう

今回は、プロジェクトの健康度を数字で測る計算方法をご紹介しました。BAC、PV、AC、EVという4つの指標を理解すれば、他の指標も計算することが出来ます。

しかしながら、覚えなくてはならない単語が多く、さらに細かい計算に自信がない人もいるでしょう。

実はご紹介したEVMの計算を自動化してくれるツールも存在します。例えば『Time Krei』(タイムクレイ)というプロジェクト管理ツールを使えば、専門的な知識がなくてもEVM計算を自動的に行ってくれます

さらには、プロジェクト管理に必要な基本機能が網羅されているだけではなく、スケジューラーなどのグループウェアの機能も搭載しており、プロジェクト推進に必要な情報が一元管理できます。

EVMにおいても、毎回自分で値を算出するより速く、確実に計算ができますので、実際の業務ではこうしたツールを活用することをおすすめします。

もちろんプロジェクト管理ツールを使う場合にも、先に挙げた計算方法の概念については知っておいて損はありません。

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