Googleスプレッドシートでガントチャートは作れるのか?
2019/05/16
スケジュール管理ツール
プロジェクトマネージャーにとって、納期を見越したタスクの進捗管理やスケジュール管理はとても重要です。特にプロジェクト管理では、ガントチャートを用いると作業状況などを可視化することができますし、プロジェクトメンバーと共有もできるのでとても効率的です。
しかしプロジェクトの成功を考えた時に、ガントチャートはどのように作成するのが良いのでしょうか?本記事では『Googleスプレッドシートでガントチャートを作成することはできるのか』に焦点を当て、作成する際に注意すべきポイントについてご紹介します。
「ガントチャート」とは何か
先に挙げたように、ガントチャートはWBS(Work Breakdown Structure)などと同様に、プロジェクトの進行を管理する上で、なくてはならないものですが、具体的にはどのようなものなのでしょうか?
ガントチャートはスケジュールや作業の進捗を管理する表の一種です。プロジェクト管理や生産管理などのプロセスを管理するという目的で使用され、横棒グラフの形状で表現されることが多いです。表で視覚的に表現されるので、プロジェクトの状況の可視化に役立ちます。
具体的には、対象の作業が開始された日から完了される日までの期間が明確になり、タスク間の依存関係なども視覚的に表すことができるのが特長です。プロジェクトマネージャーやメンバーは、ガントチャートを共通で管理して、日々の作業の進捗を記入することで、プロジェクト全体がどのように進んでいるか、どの工程が完了しているのか、また作業に遅れが出ていないかなどを一目で共有することができるのです。
ビジネスでは複数のプロジェクトが同時に進行したり、タスクも複雑化することが考えられ、誰しもがマルチタスクをこなしています。ガントチャートのような表を用いて、プロジェクトを可視化することはQCD(品質、コスト、納期)の観点からも必要不可欠と言えるでしょう。
スプレッドシートでガントチャートを作成する
ここまで、ガントチャートの目的や必要性について説明してきましたが、実際にどのように作成するとプロジェクトの成功に役立つ、使い勝手の良いものになるのでしょうか。WBSやガントチャートを無料で作成できるツールの一つとして、Google スプレッドシートが挙げられます。
スプレッドシートはMicrosoft® Excel®(一部機能を除く)などと同様に無料で利用することができ、表計算の機能に優れ、通常業務でも広く活用されています。もともとMicrosoft® Excel®を使っていた人なら誰もが比較的簡単に使うことができるツールです。Googleのアカウントを持っていれば簡単に使い始めることができ、そして共有も可能です。
スプレッドシートを活用してWBSやガントチャートを作成することもできます。柔軟にカスタマイズすることができるのも特長で、シンプルなものから作り込んだ複雑なものまで、自由に作成することができます。ブラウザ上で操作し、ファイルとして保存するのでメンバーへの共有も容易に行えるため、既にスプレッドシートをチームでの情報共有に活用しているプロジェクト管理者も少なくないでしょう。
スプレッドシートは、過去にWBSやガントチャートでプロジェクト管理を行った経験がある場合や、プロジェクト管理の中でガントチャートだけが必要な場合に、有効なツールであると言えます。
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ガントチャートを作成する際の注意点
スプレッドシートなどの無料の表計算ツールでも作成でき、プロジェクト管理において大いに役立つガントチャートですが、作成時にはいくつか注意すべきポイントがあります。
まずは、オンライン上のツールですので、自動保存・更新がされるので、知らないうちに誤操作をしていると、気づかずにそのまま保存してしまい、プロジェクト管理を進めてしまうことがあります。大勢の人と共有していた場合、「いつ・どこで・そうなったか」が分からない場合もありますので、注意が必要です。
スプレッドシートの機能として自動保存をオフにしたり、こまめに全体確認を行い、おかしいなと思ったら履歴を確認し、元に戻すなどの対応が必要になるでしょう。
あとは、一般的なガントチャートと同じです。一番注意したいのはタスクの抜け漏れです。ガントチャートを作成し、プロジェクトが走り出すと誰もがガントチャートの内容を正として、作業を進めていきます。当然ではありますが、計画段階でタスクの抜け漏れがあると、実際の作業段階まで気付かずに、気付いた時にはプロジェクト自体の遅延を招くということになります。進行中のプロジェクトの計画を変更することは容易なことではありません。納期は遅らせることができませんし、関係者のスケジュールやタスク間の依存関係もあるので、管理が徹底されていないと、かなりの時間を取られることになるでしょう。
また、プロジェクトにトラブルは付きもので途中で変更を強いられるケースもあります。ですので、プロジェクトが始動する前の事前準備は充分に行い、タスクの細分化に漏れがないかを複数人で確認することをおすすめします。
更に注意すべき点としては、実工数を無視した計画になっていないかということです。ガントチャートを作成すると、表面上は納期まできちんとタスクが収まっているように見えますが、タスクひとつひとつの工数にずれがあれば、そのガントチャートは破たんしています。はじめからスケジュールに余裕を持たせることは難しいですが、実工数が正確に考慮されていなければ質を担保することも難しくなり、プロジェクトの成功は困難になるでしょう。
これらのガントチャートを作成する際に一般的に気を付けなければならない点に加え、特にスプレッドシートなどの無料ツールを活用する場合には、ゼロからの作成になるため抑えておくことが沢山あります。入力項目(必要な情報)が欠けていないかといった基本的なことから、可視性/可読性が悪いところが無いかなどユーザビリティの観点からの確認も必要で、作りあげるにはそれなりの経験と時間が必要になるということは考慮しておくべきでしょう。
また、更新フェイズに移ってからも、抜け漏れなく更新できているかなど、ガントチャートの運用そのものにかかる手間が大きくなりすぎないように工夫が必要となるでしょう。
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プロジェクト管理ツールを利用したガントチャート
プロジェクトマネージャーの業務遂行において、期日を設定したタスク進捗管理やスケジュール管理は非常に重要です。このため、プロジェクト進行中の業務効率化はもちろん、計画や都度発生する判断においても素早く効率的に行う必要があります。
プロジェクトを管理をするために作成するガントチャートに手間をかけ、手間をかけた割にミスが多く役に立たないものになってしまうなら、プロジェクト管理に特化したツールを使うことも業務効率化には必要です。
WBSやガントチャートなどのフォーマットが用意され、複数の情報が連携されある程度自動化できているプロジェクト管理ツールを利用することで、精度の高いものを素早く作成できます。プロジェクト管理ツールには便利なツールが複数搭載されてそれぞれひな型も用意されているので、案件の種類によってテンプレートを選択して、少しカスタマイズを加えるだけで目的のWBSやガントチャートを作成することができます。
そしてプロジェクト管理ツールは、修正や変更があった場合へのメンバーへの通知や自動保存など、リアルタイムでの情報共有にも長けています。
上記の「自動化」と「情報共有」の機能からプロジェクト管理ツールでガントチャートを作成することで得られる最大のメリットは情報の一元管理と言えます。
プロジェクトの遂行はガントチャートだけ作れば完結するというものではありません。ガントチャートによって、タスクの進捗や期日などを可視化することはできますが、時間単位でのメンバーの稼働やプロジェクトとして収益が確保できているかの確認ができません。先に述べたように、プロジェクトはすべて当初の予定通りに進むということは珍しく、想定外のトラブルにより、予定変更を強いられることが多いものです。つまり管理者には柔軟で且つ、素早い判断が必要になります。もちろん、想定外のトラブルはないに越したことはありませんが、万が一の危機管理意識は常に持ち、プロジェクトに遅延や変更があった場合の準備はしておくべきでしょう。
プロジェクト管理の課題を専用ツールで解決する
プロジェクトマネージャーは様々な情報を常に把握しておく必要がありますが、情報が一箇所に集約されておらず把握するのに時間がかかり、全体像が見えにくいことも大きな課題です。
ガントチャートやWBSはスプレッドシート、メンバーの稼働はグループウェア、原価計算はMicrosoft® Excel®といったようにバラバラにツールを活用していると、作業者側も入力の手間もそれだけ増えます。また、プロジェクトマネージャーにより使用するツールが違うのも、いくつかの案件を同時にこなしている作業者にとっては業務『非』効率化と言えるでしょう。プロジェクトを管理するために、プロジェクトマネージャーはもちろん、作業者の工数の多くを取られていては本末転倒です。
結論として、Google スプレッドシートでガントチャートは作れますが、よほど作るのに長け、関係する作業者すべてが操作に慣れていないと、プロジェクト管理で不要な時間がとられ非効率と言えるでしょう。
それらの課題を解決する『一元管理が得意なプロジェクト管理ツール』では「Time Krei(タイムクレイ)」が挙げられます。Time Kreiはプロジェクト管理とグループウェアが一つのツールに集約されていることが特長です。作業者が日々の予定と実績を登録することで、自動でWBSやガントチャートに反映され、入力の煩わしさを感じません。また、プロジェクトマネージャーもTime Kreiを見れば、プロジェクトの進捗はもちろんのこと、原価やコストの状況、メンバーのプロジェクト内外の稼働状況など、メニューを切り替えるだけで把握できます。
プロジェクト管理においてQCDはいずれも手を抜けない要素です。管理が不十分で、納期に遅延が発生することがあれば、お客さまの信用を失い、再度発注してくれることはないでしょう。導入には費用が掛かりますが、Time Kreiのようなプロジェクト管理ツールを活用することで、将来的な収益につながっていくかもしれません。トライアル版もあるので、まずは小さいプロジェクトから試してみてはいかがでしょうか。
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