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業務効率化につながるITツールへの投資とは

2019/10/28

プロジェクト管理ツール

ITツールへの投資のイメージ

ツールの導入は投資である

どのような仕事にも、多かれ少なかれツール(道具)が必要です。良いツールを活用することで、より良い仕事ができます。特にIT化が進んだ現代では、ソフトウェアをどれほど有効に活用できるかで業務効率が大幅に変わり、経営にも大きな影響を及ぼします。

もちろん、多くのツールの導入にはコストがかかります。特にソフトウェアのような、価値を簡単には測れないITツールを導入することにためらいを感じる経営者の方もいることでしょう。経営者の仕事は企業活動を通じて利益を上げることですから、コストをかけることに及び腰となるのは当然のことです。

ですが、ツールを導入することで利益の拡大が見込めるのであれば、ツールの導入はひとつの投資と見なすことができます。また、ツールの導入を投資と見なすならば、それは最終的に経営者が決断すべき仕事です。

例:RPAによるデスクワークの効率化

最近、RPA(Robotic Process Automation)というツールが大きな注目を集めています。RPAとは、ソフトウェアロボットにデスクワークの一部を任せ、自動化するものです。繰り返し行う業務であり、かつ手順が明確な業務であれば、人間の代わりにソフトウェアロボットがパソコンを操作して業務を代行してくれます。

RPAの大きな特徴として、ソフトウェアロボットの作業内容になるシナリオを作成する際にプログラミングの知識は不要である、ということがあげられます。RPAツールはシナリオ上の操作手順を記憶し、実行します。業務担当者が「どのような操作をすればよいか」をソフトウェアロボットに教えればよいため、エンジニアがプログラミングを実施する必要はありません。従来は俗人化しがちで、効率化が難しかったデスクワークも、現在ではツールを導入することで効率化が見こめるのです。

RPAは企業のみならず、行政府にも導入されています。例えば、2019年に入ってから富山県内の自治体でRPA導入の機運が高まっています。南砺市では2019年4月頃からRPAを本格的に導入し、4つの定型業務を自動化しました。すでに黒字化の見通しも立っているため、ツールへの投資は成功したといえるでしょう。また、南砺市に続いて富山県内における9つの自治体が連携してRPAの導入に動いています。

参考:富山の市町村、RPAで定型業務自動化の波
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50396100Q9A930C1LB0000/

管理職、従業員、経営者の3者の視点

管理職、従業員、経営者の3者の視点でプロジェクトを管理するには

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経営者はツールの「重要性」を理解する必要がある

先にも述べたように、経営者の仕事はあくまで企業活動を通じて利益を上げることです。したがって経営者は、必ずしもツールそのものに詳しい必要はありません。ですが、ツールの重要性は理解する必要があります。

特になにができて、なにができないのかを理解することは重要です。なにができてなにができないのか、という区別はどれほど重要性の高いツールであるか、ということを測る指標になるためです。

現代のビジネスにおいてITを活用したツールは必要不可欠です。経営者もITの重要性について理解し、できることとできないことの区別を知ることが重要です。先ほどご紹介したRPAは現代の企業や自治体が抱えている様々な問題を解決できるツールとして注目を集めていますが、全ての業務をRPA化することはできません。RPAツールには得意な業務と不得意な業務があります。万能のツールは存在しないのです。

ツールにできることとできないことを正しく理解し、それが自社の企業活動における弱点を補填するものになるか、すなわちツールを導入することによる費用対効果が高いと見こんだのであれば、経営者はツールの導入という投資をするべきでしょう。繰り返しになりますが、経営者の仕事は企業活動を通じて利益を上げることなのですから。

ツールを導入することでより多くの利益を得られる見こみがあるなら、導入しないという選択肢はないでしょう。

例:ITツールを自分たちで作るゴールドマン・サックス社

ゴールドマン・サックス社は世界最大級の投資銀行として名を知られる大企業です。一方で、ゴールドマン・サックス社は世界でも指折りのIT企業でもあります。全社員の25%がIT部門に所属していることからも、同社がITを重視していることがわかります。

ゴールドマン・サックス社は業務に用いるITツールの9割以上を自社開発しています。金融商品の取引システム、決済システム、レポート作成ソフトなど、同社が自社向けに開発しているツールの種類は多岐にわたります。

さらに同社は Java というプログラミング言語のコミュニティにも積極的に参加しています。 Java に不具合を見つければ修正パッチを作成して開発元に提供する、有用なプログラム群(ライブラリ)を公開して誰でも使えるようにオープンソース化するなど、一見すると利益を生まないような活動も実施しています。

実際にはJavaの不具合を見つけたり、有用なプログラム群を公開したりすることは、ゴールドマン・サックス社自身が技術の知見を深めることに繋がります。Javaのコミュニティに貢献することもまた、ゴールドマン・サックス社にとっての投資なのです。

とはいえ、この例はかなり極端です。同社には「自分たちが使うツールは自分たちで作る」という文化があります。優秀なエンジニアを豊富に雇えるとは限りませんから、ツールを内製するべきかどうかはケースバイケースです。

ですが、ゴールドマン・サックス社が昔からITの重要性を認識していたという点は注目すべきでしょう。IT革命は金融業界に大規模な革新をもたらしました。ゴールドマン・サックス社では1998年からJavaの導入を検討し、2000年からは戦略的プラットフォームのひとつとして開発を行ってきました。ツールへ投資することで成長したのだといっても過言ではないでしょう。

参考:Javaは戦略的プラットフォーム──ゴールドマン・サックスが実践するJava標準化、オープンソースへの取り組み
https://builder.japan.zdnet.com/sp_oracle/35064658/

参考:【ゴールドマン・サックス・ジャパン】テクノロジー主導の自動化開発で金融業界にデジタル変革を
https://typeshukatsu.jp/s/interview/business-trend/8043/

働き方改革

成果が見えない働き方改革…現場に存在する

3つの課題
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最適なITツールに投資する

ITツールに投資しているイメージ

ITツールの導入は、いま抱えている課題を解決するための手段です。当然、抱えている課題によって導入するべきツールは異なります。先述したように、万能のツールは存在しません。それぞれの課題を分析し、最適なツールを導入することが重要です。

身近な例として、包丁を考えてみましょう。三徳包丁(文化包丁)を使えば、それなりの料理に対応できます。ですが、プロの料理人は食材によって包丁を使い分けます。食材をどのように切ればより美味しい料理ができるか、という課題に対してプロの料理人は、ツールを使い分けることで対応しているわけです。もちろんプロの料理人には包丁を使いこなす腕前、すなわちスキルも欠かせません。これは料理人に限らず言えることですが、ツールはあくまで「道具」であるので、その使い方が重要です。スキルとツールが噛み合ったとき、課題はより効率的に解決されるのです。

例:表計算ソフトと進捗管理ツール

企業活動の中には様々なプロジェクトが進行します。そしてプロジェクトを成功に導く鍵として、進捗状況の把握と管理が挙げられます。予期せぬトラブルが発生し、プロジェクトが停滞したときなど、迅速に対応を検討するためには進捗状況が把握できていなければなりません。

昨今のように世の中のIT化が始まる前は、マネージャーの経験による判断や、紙やホワイトボードなどに描いた進捗状況を頼りにしていました。ですが現在では数多くの進捗管理ツールが存在し、特徴に応じて使い分けられるようになっています。便利なツールが存在するのなら、これを使わない手はありません。

ちなみに、表計算ソフトで進捗管理を行っている方は今もなお多くいらっしゃいます。確かに、進捗管理をしないよりは、表計算ソフトを利用して進捗を管理したほうがよいでしょう。

表計算ソフトはいろいろなことに使えますが、進捗管理ツールとして利用するとなると、どうしても機能に限界があります。表計算ソフトで実現できないことは、人間が時間をかけて実施する必要があります。進捗管理という観点からすると、表計算ソフトを用いるのはやや非効率なのです。

進捗管理ツールは、マネージャーの主観的な判断、あるいは表計算ソフトでは実現困難な機能を豊富に持っています。例えば突発的なタスクの割りこみが発生したとしましょう。表計算ソフトを利用した進捗管理は、関連するデータの紐づけなどは敷居が高く、突発的なタスクの割り込みといった計画の変更には対応しづらい、という弱点を持っています。

ですが、進捗管理ツールを利用すれば、突発的なタスクがプロジェクト全体にどのような影響を及ぼすのか、複雑な計算式などを組むことなく、すぐに具体的な数値で分かります。

料理人が食材に最も適した包丁を使い分けるように、進捗管理には進捗管理ツールを選択したほうが、最終的には効率的でコストを抑えられる場合が多いのです。

現場の裁量と経営者の裁量

現代のビジネスはスピードが命です。実際にツールを導入するかどうかの判断は、現場の従業員や管理職にある程度の裁量を与えたほうが良いでしょう。

現場の従業員のほうが実務の実態を知り尽くしており、どのようなツールが必要か理解しているためです。少額のツールを導入するために何人ものフローを通し、わざわざ経営者層まで稟議を上げるような体制では、現場のビジネススピードは遅くなり、従業員のモチベーションも低下するでしょう。

どの役割にどの程度の裁量を与えるのかは、企業の規模や業種によって異なります。あくまで例ですが、課長クラスには1ヶ月あたり10万円までの予算と決裁権を与える、部長クラスには1ヶ月あたり50万円までの予算と決裁権を与える、といった裁量の区分を設けることで、柔軟な運用が可能になるでしょう。経営者はときに「現場に任せる」という決断を下す必要もあるのです。

例:四の五の言わずにデュアルディスプレイにしてください
業務に使っているパソコンのディスプレイが2枚あると、業務効率を大幅に改善できます。デュアルディスプレイにすることで生産性が42%向上した、という研究結果もあるようです。

参考:How Multiple Monitors Affect Wellbeing
https://www.steelcase.com/research/articles/how-multiple-monitors-affect-productivity-and-wellbeing/

42%という数字は業務内容によって変わってくるでしょう。中には例外もあるかもしれませんが、業務時間の大半をパソコンの操作に費やしている場合、ディスプレイが複数枚あると業務効率は間違いなく向上します。

実例を挙げましょう。株式会社AXIAの代表取締役社長、米村歩氏は、デュアルディスプレイなど無意味だと考えていたそうです。周りの従業員たちがデュアルディスプレイを導入していく中、最後のひとりになるまで、かたくなにデュアルディスプレイを導入しませんでした。見かねた従業員が、ついに社長の米村氏へ言い放ちました。

> モニタ1台で仕事するなんて片目をつぶったまま仕事しているようなもんですよ。四の五の言わずにいい加減さっさとデュアルディスプレイにしてください。

デュアルディスプレイを導入した当日の夜、米村氏はフェイスブックに次のような感想を投稿しました。

> もっと早くやっておけばよかった

笑い話ではありますが、重要な示唆に満ちた話でもあります。米村氏自身は二枚目のディスプレイをかたくなに導入しませんでした。一方で、米村氏は現場の価値観を尊重し、二枚目のディスプレイを購入する決裁権を現場に与えていたものと考えられます。

ですが現場に決裁権が無く、決裁権を持つ上役が「効果が出るとは思えないから経費で購入してはならない」と拒否してしまった場合、せっかく従業員から提案された効率化の機会を失ってしまうことになります。

現在、20~24インチ程度のディスプレイはそれほど高価ではありません。従業員に2枚目のディスプレイを購入する経費と権限を与えるだけで生産性が向上するなら、2枚目のディスプレイに投資しない手はありません。実務をよく知る現場から何かしらのツールが必要であるという訴えがあり、それが少額であるなら現場に決裁権を与えて導入させたほうが効率的であった一例です。

参考:デュアルディスプレイで簡単にできる業務効率化
https://axia.co.jp/2017-05-11

ツールの導入は投資である まとめ

どのような仕事にも、多かれ少なかれツールが必要です。ツールを導入することは一種の投資であり、投資である以上、導入するかどうかの判断は経営者の仕事でもあります。

経営者はツールそのものに詳しい必要はありませんが、ツールの重要性については理解しておく必要があります。特に、なにができてなにができないのか、ということは理解するべきです。また、それぞれのツールには向き不向きがあります。抱えている課題に応じて適切なツールを選ぶことで、より費用対効果の高い投資となるでしょう。

最後に、現代のビジネスはスピードが命です。したがって、ツールの導入に関しては、現場にもある程度の裁量を与えたほうが効果的です。実務に携わっている現場の従業員から「ツールが必要である」との訴えがあり、導入コストが少額であるなら、現場に決裁権を与えて導入させるほうがよいでしょう。

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