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プロジェクトの計画手法「WBS」とは?作成にあたって便利なツールはどれ?

2019/05/14

プロジェクト管理ツール

WBSツールを選定しているイメージ

プロジェクトを計画通りスムーズに進行する上で欠かせないのが、計画手法の一つ「WBS」(ダブルビーエス)です。準備の初期段階で作成して作業計画全体を見渡せるようにし、企画からシステム開発、テスト、運用まで一貫しての管理や進捗確認に使用します。作業の遅延やネックになっているタスクなどを見つけ出し、大きなトラブルがあったときには方向修正にも威力を発揮し、プロジェクトを効率よく進行させることができます。

しかし、計画段階で作ることが義務化されているという理由だけで作成して、いまいち有効活用できていないケースも少なくありません。ここではWBSの特徴とその必要性、WBS作成に役立つツールに関して解説します。

WBS=作業を分解した構成図

WBSは「work(作業)」を「breakdown(分解)」して「Structure(構造化)」する、という意味の英単語の頭文字を組み合わせた用語で、文字通りプロジェクトの作業を分解した構成図のことです。プロジェクトのスケジュール・進捗管理に用いられる手法であり、作業工程を細かな作業に分解して構造化することにより、日程や工数、人員、タスクを管理しやすくします。

WBS上でそれ以上分解されない最小の単位を「ワークパッケージ」(work package)と呼びます。ワークパッケージは、プロジェクト内での作業の最小単位ですから粒度が同じに設定され、最小まで分解することで一つ一つの項目を制御しやすくします。

なお、WBSは厳密的にはタスクの一覧になりますが、右側にカレンダーのような作業期間を明示した表のようなもの(=ガントチャート)とセットにして、WBSとして扱われることもあります。

WBSのつくり方の基本と特長

WBSを作成するには、まずは必要な作業の洗い出しを行います。思いつく限りの作業内容をざっと作業発生順にリストアップしたら、ひとつひとつの作業を最小単位であるワークパッケージへの細分化を行いましょう。

次にそれぞれの作業に必要な工数とその担当者を記載して、さらにスケジュール配分を行います。WBSをつくりながらプロジェクトの目標達成において必要なタスクが確認できるだけでなく、それらの相関関係まで把握できるようになるのが大きな特長です。

関連するタスクを意識し、抜け漏れや重複が無いように留意して作成することも重要です。プロジェクトが本格的に始動する前に、プロジェクトの全体の流れを見渡せることができるのもメリットの一つと言えます。

タスクを洗い出していくと、作業範囲が明確でなかったり、誰が実行するのか不明であったり、或いはプロジェクトメンバーの誰もできないタスクが発生するかもしれません。一つ一つ明らかにすることで、作業に必要なの具体的なリソースや所要時間を掴むことができます。

WBSはプロジェクトマネージャーが作成を担当するのが一般的かもしれませんが、一人で作ることはNGです。できれば大きな作業のプロジェクトリーダー2、3人と集まって、項目を作成(細分化)し、一つ一つのタスクの関連性や要不要などを話し合いながら進めていくのが望ましいです。ある程度できてきたら実際に作業する担当者に工数に無理がないか、その時期に被る作業がないかなど、意見交換しながら完成させるようにしましょう。もし、リソース上一人で作ることがやむを得なかったとしても、実際の作業担当者に確認を取るのは必須です。そこを省いてしまうと、実際のプロジェクトの遅延などに影響するのはもちろん、チームワークやリーダーシップといった別方面の問題も出てきてしまうでしょう。

WBSを作ることの必要性

プロジェクトの成功、目標の達成を果たす上でWBSやガントチャートといったツールの作成は必要不可欠です。

システム開発に限らずあらゆるプロジェクトを進める前にまず果たすべき目的やゴール(KGI)と、目指すべき目標(KPI)をきちんと設定しておく必要があります。設定した目的に向かって目標を達成するには、必要な作業をすべて洗い出さなくてはなりません。

WBSを作成する過程で必要な作業を洗い出すことで、計画達成の所要時間や必要な人数・コストなどが明確になります。

WBSを作成して作業が明確になるメリットとして、まず具体的なスケジュールの作成が可能となる点が挙げられます。作業を一から洗い出しをして最小単位まで細分化することにより、各作業につき必要な資源や期間が具体性を帯びるからです。

プロジェクトマネージャーだけで作成するのはNGだと先述しましたが、プロジェクトリーダーや担当者などスキルをもつ複数人に確認しながら進めることでWBSに掲載するタスクはより精度が高くなり、現実に即したスケジュールを組むことができます。もし可能であるなら費用や時間配分に余裕を持たせておくと、成功率がさらに上がるでしょう。

次に工数の見積もりができる点も、WBSを早期に作成・活用することの大きなメリットです。

大まかな作業のみをリストアップした状態では、作業範囲が不明瞭で必要な工数を算出することができません。よくあるのは、「作業」は挙げてあっても「確認」や「修正」が抜けていて、結果、修正が多く発生したために工数が足らなくなります。また、「確認」や「修正」があっても期間が短かすぎて完了させることができなかったり、一回しかその機会が設定されておらず確認・修正を何度も回すことができず、成果物の精度が下がってしまうこともあります。

作業の洗い出しで終わることなく、細かくタスクを分解することで初めて作業範囲が明確となり、それに従って必要工数も正確性が増すという仕組みです。

そして一つ一つの作業に関して、現場での共通認識が生まれる点も重要です。

現状や計画の進行が誰が見てもわかるように可視化されているため、マネージャーと担当者が同じ情報で判断でき、現場での作業内容や範囲の誤差を抑えることができます。

また、それぞれの担当者は受け持つ作業を時期と一緒に一覧で確認できるため、自分の作業を確実に認識し、作業フローが不明瞭であったり計画に穴があった際に気づくこともでき、それらを加筆することで事故を未然に防げる点も大きな魅力です。

専用のツールを使いラクに作成・更新

WBSを作成するには作業の洗い出し、作業の細分化に加えてリソースの配分、スケジュールの構築など必要とする労力や時間も必要です。

プロジェクトを効率化するために必要なWBSですが、使いにくいフォーマットであったり更新をしなかったりすると、その目的を果たせないのはもちろん、ツールの更新に余計な工数がかかってしまうことになります。計画をコントロールするためのWBSだからこそ、運用・管理はシンプルに実行すべきで、それにはパソコンで使えるWebツールの活用がおすすめです。紙媒体やホワイトボードなどを用いてWBSを作成することも可能ですが、閲覧する場所が限定的になり、かつ修正や共有、ログを残すということに手間がかかり難しくなります。

現在では、WBS作成用のさまざまなWebツールが用意されています。どう使うか、誰と使うかにマッチしたツールを選ぶことが、プロジェクト全体の作業効率化のポイントになります。身近なツールと言えば、日常業務で使用することも多いMicrosoft® Excel®が挙げられます。

プロジェクトに関わるメンバーのパソコンにインストールされている確率も高く、また簡単な操作なら誰でも可能であることが最大の利点ではあります。データ入力や表計算、図形やグラフなどの作成・操作が容易であり、何より自由度が高い点もWBS作成に適しているツールと言えます。

実際にMicrosoft® Excel®用のWBS作成テンプレートファイルが数多く出回っている点も、Microsoft® Excel®がWBS作りに適している証拠であり、ポイントが高いです。これからWBSの作成に挑む方は、まずはMicrosoft® Excel®のテンプレートを利用してツールの扱いに慣れることから始めてみましょう。

毎回プロジェクトが立ち上がるごとにプロジェクトリーダーが作成し直すよりも、何度か使い改良を重ねて、自社のプロジェクトの進め方に適した雛形を作成すると、時間・労力を省けるだけでなく、誰でも更新できる企業文化に沿った使いやすいフォーマットになります。

関係者で共有し、色々なプロジェクトで使われていくと、今度はプロジェクトの種類・ジャンルごとに基盤となるWBSが出来ていき、より便利になりテンプレートの精度も上がります。

おすすめのWBSツール

より業務の効率化を狙うのであれば、企業が提供するWBSツールを利用すると良いでしょう。おすすめWBSツールは、株式会社テンダが提供する「Time Krei」(タイムクレイ)です。

手軽に始められるWebツールやMicrosoft® Excel®との大きな違いは、WBS作成はもちろんスケジュール管理や進捗管理など複合業務を一元管理できる点です。プロジェクト管理に必要なデータを入力すれば、自動集計・管理がなされて大幅な管理工数の効率化が望めます。

マネージャーだけでなく全社員が素早くアクセスできるため、情報の共有や逐一の方向修正の精度が向上するのも大きな特長です。優れた機能を有しているにも関わらず、セル入力や行のコピーなどMicrosoft® Excel®と共通しており操作しやすい点もメリットの一つとして挙げられます。Microsoft® Excel®のファイルのインポートやエクスポート機能も標準装備しており、先行・後続タスクのリンクが可能であるためスケジュール変更も容易です。

また、プロジェクトに関する実績をグループウェア機能に登録することで、計画の管理を意識することなく進行管理ができます。目標として設定した所要期間に対して、現在の実績工数や進捗がどの程度であるかといった管理も必要なデータを逐次登録することで自動集計して表示されるため、現状把握のスピードが劇的に向上するのです。

加えて、公開・閲覧者制限を設定することもできるため、社内において秘匿性の高いプロジェクトも管理しやすいという特長を持っています。プロジェクトメンバー単位で、WBSの情報の更新権限を細かく設定できるため、思わぬデータ破損の危険性を抑えることも可能です。

そして、メンバーの原価や資材、外注加工費などに関しても発生日単位で登録することができ、コスト管理にも適しています。

洗い出した全工程の作業を分解し、再構成して構造化するWBSはプロジェクト成功に欠かせない手法です。WBSの作成を通して作業範囲が明確化すれば、スケジュールや必要コストが具体化し現場での情報共有の透明性も向上します。

プロジェクト全体・関係者への共有や計画進行中の管理・修正をスムーズに行うためには、アナログツールよりパソコンで使用できるデジタルツール、そして更に効率的・効果的にWBSを活用するのであれば、が「Time Krei」をはじめとしたWBS専用機能を含むプロジェクト管理ツールを使うと良いでしょう。

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