スケジュールをWBSに落とし込んで計画を効率的に推進!
2019/06/27
スケジュール管理ツール
WBS(Work Breakdown Structure)は、仕事上のスケジュール管理に欠かせない手法の1つとして有名です。プロジェクトに関わるときには、その工程を細分化して効率的に作業を進めていくように計画しなくてはいけません。しかし、こういった計画や管理の作業を全て手動で行ってしまうと時間がかかり、効率が悪くなってしまい、結果的にビジネス上のマイナスになってしまうことになります。プロジェクトの種類に応じて、体系化されたWBSを利用すると、こういった作業工程を円滑に進めていくことができるようになります。
スケジュールを意識した仕事の進め方
プロジェクトを進める際には、各タスクにおいて必ず計画的なスケジュールを考えなくてはいけません。いつの時期までにどの仕事を終わらせて結果を出すのかということをまず考えるわけです。1人でタスクを進めていくのならば問題ありませんが、複数人が同時にプロジェクトを進めていくときには、作業工程を分解して誰がどのタスクをいつからいつまで行うのかという計画を立てる必要があります。こういった、各々のスケジュールを細分化してわかりやすくしたものをガントチャートといい、WBSと併せて使うことができます。
やるべきことと期間が工程図のような形で視覚化されていると、効率的に作業を行っていけますし、管理も容易になります。特に、プロジェクトでは目的を達成するために必要になるタスクの作業量が、個人によって大きく異なります。スケジュール管理がきちんとできていると、各人がこういったタスクとスケジュールを意識した作業が行えるようになり、スムーズに仕事を進めることができます。手作業でプロジェクトの計画を全て立てようとして、よくあるのがスケジュールを無理に組んでしまうことです。各タスクの工数に無理があったり、担当者が割り当てられている日程に別の業務が入っていて時間が確保できなかったり、様々な原因がありますが、計画段階でズレがあると修正するのは困難でしょう。
ガントチャートやWBSを取り入れて管理を仕組み化できていれば、連携を取りやすくなるうえに情報共有もできますので、プロジェクトが失敗する確率を小さくすることにつながります。
スケジュール管理とWBSの役割
WBSの目的は、簡潔に述べると目的に対して作業を分解して、わかりやすく構造化することにあります。一見すると複雑な作業工程に見えるものであっても、WBSを利用することで視覚的にわかりやすくすることができるわけです。目的に沿ったプロジェクトを進めていく時に、誰の目にもわかりやすいように計画することは情報共有が容易になるという観点で非常に大切なことです。
WBSで作られるガントチャートには必ず期限の情報が表現されています。ですから、複雑な作業工程でもそれぞれがどう関わり合っていて、どういったスケジュールでこなしていけば良いのかがわかるようになります。
また、明確な工数の見積もりを簡単に計算できるという大きなメリットも存在します。WBSで作業を分解すると作業範囲が鮮明になりますので、そこからタスクを終わらせるための見積もりがWBS上で簡単に確認できるようになるわけです。実際に、複雑なプロジェクトで厄介なのは作業漏れが存在することです。WBSでは、そのような作業漏れすらカバーできるようになるため、プロジェクトのスケジュール計画を立てる際に大変活躍します。
スケジュールを組み込んだWBSの作り方
WBSを使って具体的にスケジュールを考えていくときには、まず作業を徹底的に洗い出すことが大切になります。特に大きなプロジェクトでは、ゴールに向けた作業内容は大きなひとつの塊のようなものにしか捉えられません。この捉えにくい巨大な塊を分解していき、個々人のタスクに収めることができるくらいにスケジュール上に当てはめていくことがまず必要になるわけです。
また、大勢の人が携わるプロジェクトである場合には、相互関係を意識しながらWBSを作ることが大切です。どの作業とどの作業がつながっているのか、きちんと構造化する必要があります。この構造化がきちんとできていないと、タスクの優先度が分からず、無駄な時間が発生したり、プロジェクトの遅延を招くことにつながります。
そして大勢の人が携わるプロジェクトで注意しなければならない点として、スケジュールとタスクに関して各担当者からきちんと同意を得ることが挙げられます。WBSでタスクの洗い出しと構造化がきちんとできていても、割り振った担当者にとって不可能な内容であれば、スケジュールは崩れてしまうでしょう。ダブルチェックの意味も含め、WBSを作成する際には管理者だけでなく、プロジェクトメンバーにも事前に情報共有をし、共通認識を持たせることも忘れてはいけません。そういった意味でも情報共有がしやすいWBSはオススメの手法といえるでしょう。
WBSの有効な活用方法
WBSを活用する上で知っておきたいのは、情報の更新の重要性です。プロジェクトにトラブルや想定外の出来事は付き物です。つまりプロジェクトの計画は立てて終わりではなく、進捗や状況に応じてメンテナンスをする必要が出てきます。途中段階で進捗に遅れが発生していた場合、そのまま計画通りに進めていては、最終的な納期も遅れてしまうことは言うまでもありません。この為、プロジェクト管理の中核を担うWBSは常に最新であることが大切なのです。
そこでポイントとなるのが、メンテナンスのしやすさです。そして、メンテナンスのしやすいWBSを実現するには、管理する場所と編集者の2本柱を考えなくてはなりません。
まず、管理する場所としては社内のグループウェア上や、誰もがアクセスできるクラウド環境上が好ましいでしょう。そして編集者に関しては、プロジェクト管理者以外もある程度メンテナンスができる状態が良いのです。プロジェクト管理者しか編集ができないと、負荷が1人に集中してしまいますし、管理しきれず漏れが発生するリスクがあるためです。
とはいえ、誰もが同じように編集できてしまうのも問題です。管理者以外の権限のないメンバーが独断でWBSを修正してしまい、それを管理者が把握していないなんてことになれば、プロジェクト管理は破綻してしまいます。つまり、プロジェクト管理者以外も編集ができ、さらにメンバーによって編集できる範囲に制限が付いているという状態がベストと言えます。
こういった課題をクリアするのが、プロジェクト管理ツールの活用になります。「Time Krei(タイムクレイ)」をはじめとしたプロジェクト管理ツールは、あらかじめWBSのテンプレートが複数搭載されており、作成や運用が容易にできるプロジェクト管理の専用ツールです。
多くのツールはクラウド環境に構築されており、どこからでもアクセスすることができます。そしてアカウントごとに細かい権限設定もできるので、複数人でWBSの編集をするときにもきちんとメンバーごとにできることを制御できるのです。
プロジェクトの成功は計画段階で決まると言っても過言ではありません。WBSなどを活用してきちんとした計画を立て、業務の効率化を図りたいものです。一方でWBSの作成や運用に時間を掛けすぎてしまうのも本末転倒になりますので、プロジェクト管理ツールなどを活用して、計画段階から効率化を図ることが重要です。