PMBOK×プロジェクト管理ツールで業務効率アップ
2019/04/02
プロジェクトマネージメント
プロジェクト管理ツール
プロジェクト管理を業務効率化するために用いられているガイド「PMBOK(ピンボック/Project Management Body of Knowledge)」をご存知の方も多いと思います。その「PMBOK」の効果を高めてくれるツール「プロジェクト管理ツール」は導入されていますか?
今回は「PMBOK」についての基本的な知識から「PMBOK」の効果をより高めるための「プロジェクト管理ツール」についてご紹介していきたいと思います。プロジェクト管理の業務効率を上げたいと考えている方必見です。
PMBOKの基礎知識
「PMBOK」はProject Management Body of Knowledgeの頭文字をとって「PMBOK」(ピンボック)と呼ばれています。
「PMBOK」はプロジェクト管理に必要となる知識を体系化したもので、10のマネジメント領域と5つのプロセスから成り立ちます。このプロジェクト管理は国際的な基準とされているものであり、プロジェクトのゴールである「QCD」(品質:Quality、コスト:Cost、
納期:Delivery)を達成するためには、その10のマネジメントをしっかり行う必要があります。
10のマネジメント領域
- 統合マネジメント
- スコープマネジメント
- タイムマネジメント
- コストマネジメント
- 品質マネジメント
- 人的資源マネジメント
- コミュニケーションマネジメント
- リスクマネジメント
- 調達マネジメント
- ステークホルダーマネジメント
以上の各マネジメント領域の計画書を作成する前に、最初は企画書が作成され、それをもとに憲章が作成されます。この憲章がプロジェクトの基本的な資料となり、プロジェクト管理計画書が作成されます。
5つのプロセス群
憲章やプロジェクト管理計画書とともに、各マネジメント領域で作成される計画書がプロジェクトのためにそれぞれの専門的領域をマネジメントすることによって業務効率化となり、成功へと導いてくれます。
10の領域マネジメントは個々としてではなく、全体のマネジメントとして行うことでプロジェクト管理の業務効率化ができます。その作業をいつ実施するか、「5つのプロセス群」で定められています。
- 立ち上げのプロセス
- 計画のプロセス
- 実行のプロセス
- 監視・コントロールのプロセス
- 終結のプロセス
この5つのプロセスが軸となり、10のマネジメントをどう配置していくかが鍵となるともいえます。
そのため「PMBOK」を使いこなすのであれば、まずは5つのプロセスである「立ち上げのプロセス」「計画のプロセス」「実行のプロセス」「監視・コントロールのプロセス」「終結のプロセス」をしっかりと頭に入れてから、10のマネジメントである「統合マネジメント」「スコープマネジメント」「タイムマネジメント」「コストマネジメント」「品質マネジメント」「人的資源マネジメント」「コミュニケーションマネジメント」「リスクマネジメント」「調達マネジメント」「ステークホルダーマネジメント」に集中することで、プロジェクト管理の業務効率化アップに繋げることができるとも言えます。
また「PMBOK」のガイドには日本語、英語の他にアジア圏では中国語、韓国語、欧州圏ではドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語などがあり、他にもアラビア語、ロシア語などが存在しており、幅広い国々で活用されています。
これだけ多くの国で「PMBOK」のガイドが使われているということは、「PMBOK」をしっかりと使えるようになればどこの国でもプロジェクト管理・業務効率化に関わる仕事を行えるようになるかもしれません。
プロジェクト管理ツールの利便性
プロジェクト管理ツールはプロジェクト管理に必要な機能を搭載し、できるかぎりプロジェクト管理の業務効率をあげるためのツールであり、インターネットを介して様々な機能を持つソフトウェアとして知られています。
プロジェクト管理においては、予実管理、スケジュール管理やコミュニケーションの管理、会議、ドキュメントや情報の共有など様々なタスクがありますが、プロジェクト管理ツールを利用すれば一括して管理することが可能となります。一般的な機能は以下の通りです。
- 予実管理機能
- WBS機能
- タスク管理機能
- ワークフローシステム機能
- ライブラリー機能
また、プロジェクト管理ツールの中には、グループウェア機能を搭載しているものもあります。
- スケジュール機能・設備予約機能
- 掲示板機能
- 回覧板機能
一見、これらの機能はプロジェクト管理には不要のように見えますが、スケジュールと予実管理、タスク管理が連携していることで、一つの数値が各機能で連携し、多様なカタチに可視化されて、とても分かりやすく「見える化」することができます。
メリットの多いプロジェクト管理ツールですが、ツール選定の難しさがデメリットとも言えます。
導入する前に一番気を付けておきたいのは「導入の目的」です。その機能や価格の魅力につられ安易に導入してしまうと、現場では利用されず、定着せずに放置され、導入にかかったお金と時間が無駄になりかねません。
プロジェクト管理と働き方改革
近年では業務効率化を図るために多様な働き方が推奨されており、実際に同じオフィスでデスクを並べていない人と連携して行うプロジェクトも増えて来ました。
「場所や時間を選ばない」という理想があるとはいえ、コミュニケーションの難しさを実感している方も少なくは無いのではないでしょうか。
しかし、プロジェクト管理ツールを導入することによって1つのプロジェクトを進めている人たちが同じオフィスにいない場合や、途中で参加してプロジェクトに参加する人、他のプロジェクトと並行してチームに参加している人などには連絡を行いやすくなります。共有漏れの心配や同じことを何度も説明する必要がなくなったり、データの紛失漏れを防ぐことができたりと、無駄な業務を省き、セキュリティに配慮することも可能になります。
さらにスケジュールと連携していれば、今、誰が何をしていていつ連絡すればレスポンスが得やすいか…など、姿が見えていないことがデメリットになりにくい状況を作り出すことができます。
またプロジェクトの参加人数が多ければ多いほど専用のプロジェクト管理ツールは役に立ちます。プロジェクトによっては主要メンバーとして動かない人でも進んでいるプロジェクトの流れや経緯などの現状を把握することが可能ですので、一つ一つの確認を一人一人に行わなくてはいけないといった状況を防ぐことができます。
プロジェクト管理をするためのツールには様々なものがありインターフェイスも異なり使いやすさにも違いがあるので、導入を検討される際には様々なツールを比較してみるのが良いでしょう。
業務効率化には、工数削減は不可欠
すでに皆さんもご存知だと思いますが、業務効率化は一長一短でできるものではありません。業務効率化を進めるためには、同じ時間をかけていたことの成果を上げるか、もしくは同じ成果を得るためにかかる工数を減らすしかありません。
成果を上げるのはとても難しいことです。しかし、工数を削減するのは、今ある無駄な時間を少しずつでも減らしていくことで実現が可能です。そのためにはまず、プロジェクトの状態がどのようになっているか「見える化」を行い、見えていない時間を無くしプロジェクト管理全体の効率化を図ることが一番です。
プロジェクト管理の業務効率化を図るための基本的なガイドやその概要、それぞれのマネジメント領域の役割と全体としての役割があり、業務効率化やプロジェクトを成功に導いていくために、どれも欠かせません。また、ハード面を担ってくれる「プロジェクト管理ツール」を活用すれば、PMBOKにおけるマネジメント領域の機能を高めることができ、プロジェクト管理においてのさらなる業務効率化が見込めることでしょう。