2つの機能でプロジェクト管理をスムーズに!【ガントチャートとWBS】
2019/03/05
プロジェクトマネージメント
プロジェクト管理ツール
プロジェクト管理の手法や方法論では、WBSやガントチャートといったワードを良く耳にするかと思います。
WBSもガントチャートもプロジェクト管理を助けるツールで、タスクを整理し、進捗状況を可視化するために非常に有効です。逆に言うと、これらのツールがなければ、多種多様なタスクが相互に関係して進行するプロジェクトを適切に管理することは難しいでしょう。
そこで今回は、WBSとガントチャートを用いたプロジェクトの管理方法について解説します。
WBSとガントチャートの違い
プロジェクトマネジメントを行う際に、WBSとガントチャートは同義語のように使われることがありますが、厳密には意味合いが異なります。
WBSがタスクを細分化した構成図、ガントチャートはそれをわかりやすく可視化したスケジュールになりますが、最近ではそれを合わせたもの(左側にタスクの一覧、右側に横棒線で表示されたスケジュールがある表)をWBSと言うことも多いようです。
本解説では、WBSとガントチャートを別の物として説明したいと思います。
WBSとはタスクを詳細に分解した構成図
WBS(Work Breakdown Structure)とは、プロジェクト全体を構成する要素を詳細な作業(タスク)に分解した構成図です。
細分化されたタスクは工程順に親子関係や平行作業であることが分かるように並べられ、これらの関係が見てわかるようにツリー構造などを用いて表現します。
はじめにそのプロジェクト全体の成果物を洗い出し、次にその成果物ごとに必要となるタスクをなるべく細かく(階層はプロジェクトにより異なります。多くは、担当者が一人になるレベルまで細分化)リスト化します。
プロジェクトの把握にかかる時間をほぼ「0」に
「見せる化」を実現する方法とは
資料ダウンロードtext
ガントチャートとはタスクのスケジュール表
ガントチャート(Gantt chart)はいつどんな作業をするかを可視化したスケジュール表です。WBSなどを用いて細分化されたタスクをスケジュール化したものです。
WBSで洗い出された詳細なタスクそれぞれに、担当者、工数、達成条件、開始日、終了日などを追加し、横軸を日付にしたスケジュール表の中に(多くは横棒のグラフ状に)開始日から終了日までを線引きし一覧表にまとめます。
どのタスクがいつ実施されるのかが一目でわかるのが特長ですが、マイルストーン(プロジェクトにおいて重要な節目)などもわかりやすく印を付けておくことで、優先順位なども判断できます。
ガントチャートを見ると、プロジェクトが今現在どの段階まで進んでおり、どこで遅れが生じているのか、何(どのタスク)が遅延のネックになっているのかが一目でわかります。
WBSとガントチャートでできること
WBSとガントチャートを利用する手法を導入することで、プロジェクト管理の基本となる、タスクやスケジュールの確実な管理が可能となります。これらの管理ツールでプロジェクトを可視化した情報は、タスクごと(≒担当者ごと)に細分化しているため、工程に遅れが発生したら直ちに課題を見つけることができます。
プロジェクトの成否にかかわるような大きなトラブルや進捗の遅れには、必ず何らかの兆候が表れます。WBSとガントチャートを駆使することで、その兆候を発見し、進捗に大きな影響が出る前に対策を打てるため、大きなトラブルに成長するリスクを低減もしくは回避できます。
また、WBSとガントチャートはプロジェクトチーム全員で漏れなく共有するものです。タスク毎に担当者が設定されているため、責任の所在が明確になり、プロジェクトチーム全体の円滑な運用に役立ち、上長への進捗報告もしやすくなります。
このように、WBSとガントチャートのようなツールの運用は、プロジェクト管理をする上で必須と言えますが、役立つように作り、上手く使えるかどうかはプロジェクトマネージャーの経験やスキルによるかもしれません。
次に具体的な作成、運用方法についてお話しします。
詳細なスケジュール管理表の作り方
WBSとガントチャートを作る際に最も重要なのは、プロジェクトの進捗を的確にシミュレートしてタスクを洗い出し、整理することです。
プロジェクトの工程を大きなカテゴリー(成果物)から次第に細かなタスクに分解・整理して、MECE(ミーシー)にタスクを書き出します。
ここで大変重要となるのが、『MECEに』ということです。MECEは「漏れなく、重複なく」という意味ですが、タスクが抜けていたらそこで進捗はストップしてしまうかもしれませんし、その抜けていた部分を実施するのに想定していなかった工数が必要となるかもしれません。また重複していたら異なるメンバーが別々にタスクを進めていて、無駄な工数がかかっているかもしれません。
次に、それぞれのタスクに対して「誰が(担当者)」「何を(どのタスクを)」「どれだけ(いつまでに)」進めなければならないのかを明確にしていきます。
具体的な工数や日程、メンバーの予定を鑑み、仕事の質と量を見積もってタスク一つ一つに記載していきます。完成までには、祝日が抜けていないかなど初歩的なミスがないか確認したり、各担当者に工程に無理がないか確認してもらうなど、複数の手が必要になります。プロジェクトの計画を立てるときは、プロジェクトの成果物となるゴール地点を設定してから、必要となる工程を逆算する方法と、必要なタスクを積み上げて最終的な期日や予算を計算する方法があります。
実際には定められた期日と成果に対して、積み上げられた工数と予算を組み合わせて人員配置とスケジュール構成するかを考えるため、両方のアプローチを同時に使うことが多いでしょう。
プロジェクト管理の肝は進捗管理であるため、全体スケジュールや各タスクのマイルストーンを定めて管理を行うことが重要です。特に成果の達成状況を明確に表現するためにも定量的な数値目標を設定するように心がけましょう。
また、プロジェクトチーム全体で共有するツールですので、誰が見てもわかりやすく・理解しやすいことも、その共有方法をルール化することも、プロジェクト管理を円滑に進めるために準備しておきたいことです。
成果が見えない働き方改革…現場に存在する
3つの課題
資料ダウンロードtext
プロジェクト管理ツールを活用
スキルや経験にもよりますが、WBSやガントチャートを正しく作ることはなかなか難しく手間がかかりますし、作成者によって色や記号の意味が違ったり、表示方法が異なるだけで見づらかったり、わかりにくいものになってしまいます。
また、更新の不備でWBS側に書く工数や日付と、右側のガントチャート部分に差異が発生する場合も少なくありません。
プロジェクトに求められる高品質の成果物を手に入れるためには、結果だけを追い求めるのではなく、計画に基づいた進捗状況を明確に可視化する管理方法の導入が必ず必要とされます。WBSやガントチャートはまさしくそのために生み出された管理ツールであるため、業務効率を上げるために運用の負担を軽減する専用のアプリケーションやWebサービスも存在しています。
『Time Krei』(タイムクレイ)はプロジェクト管理ツールとして、WBSやガントチャートの運用に最適化されているだけでなく、メンバー一人一人の稼働状況や、EVM分析のグラフ表示なども実装されています。
加えて、プロジェクトチーム内のコミュニケーションや情報共有化、個々のスケジュール管理に役立つグループウェア機能もパッケージになっています。
プロジェクト管理の強化をお考えなら、『Time Krei』(タイムクレイ)の導入検討をしてみてはいかがでしょうか。
プロジェクト管理の強化ができるプロジェクト管理ツールを試してみる
無料トライアルtext